2017年10月3日火曜日

100kmマラソンという名の冒険 その6

エードが目に入ってきた。しかし、昨年応援に来たときよりギャラリーは少ない。どうやら50kmの部スタートから30分前だったからか。
しばらくするとゾロゾロと選手達がスタート地点に集まってきた。
補給食の入れ換えをしにテントに向かう。そこで我がチームのMさんと会う。やはり早い。「昨年より一時間早いです!」と余裕の笑顔で先だって行った。
スポドリを飲んで後半戦に向かう。そこで、今年は50kmにエントリーした、いつでも元気印のM橋くんから「ナイスランだすな!」と労いの言葉
ここからは仕事で何回も通っている。でも自動車だから時間感覚での距離感はアテにならない。しかし、次のエードは思っていたより近かった気がした。
「55km」の看板が目に入る。
「あっ、今のオレってフルマラソンの距離より長く走っているな!」と妙な感動が。
ほぼ五キロ毎のエードで水分補給をしたが、この気温からして補給過多だったのかも知れない。しかし二日酔い気味だったので喉がカラカラになる。
エードのトイレまで間に合わなくなってしまった。キョロキョロと場所を探していたら、S原さんから声をかけられる。二言、三言交わして別れた。話している間にも、危険水域が近かった。あのまま一緒について行けたらかなりのタイムになったことは間違いなかったのだが。
ようやくそれなりの場所が見つかり用を足す。
ロンリーランになりつつあるところで、我がチームの東京隊のアイアンウーマンのS戸さんに追い付く。
「何か虫に刺されたみたい」と彼女。「蜂だった?アブだった?」と訪ねるも「痛いっと思ったら、虫が居ませんでした。次のエードに医療スタッフがいるらしいので頑張りますっ!」って言い放ち、鬼走りで走っていった。
「蜂だったら、走っちゃマズイだろ」と言いかけたものの、届くはずもなく。次のエードまでは10km以上あるのにな。
そうこうしているうちに、阿仁トンネル回避の萱草集落の旧道に入る。ここは初めて通る。何とも微妙な山道。曲がりくねったうえ長い。ここでS戸さんの追い付くも、すぐに置いていかれる。虫に刺されているのに凄い。さすが250km走完走ランナーだな。
曲がりくねった旧道が終わると国道105に戻る。ここからは平坦な道に。いつもはひとっこ一人見かけないのに「えっ、こんなに人が住んでいたんだ!」って思うくらい沿道から応援される。
比立内から阿仁って、こんな距離だったかな?と感じながら阿仁の中心部に。
50kmの選手達が元気に追い越していった。マイペースを継続して役場前のエードに到着。
監督から出迎えられる。
「良いペースだ!このままだったら、もう歩いてもタイムは間に合うぞ!」と言われる。
奥の方のテントのボランティアのマッサージが目につく。そして先客はいない。
マッサージされれば足が軽くなる、って聞いていたのでやってみた。
「時間は何分ですか?」と聞かれ、「五分でお願いします」と
始めに大腿四頭筋、次にハムストと足首。これがやたら気持ち良い!不覚にも一瞬睡魔に誘われる。「いかんいかん!」
結局五分はオーバーしてしまった。
そして大変なことに、逆に揉み返しが来てしまい、役場前の激坂は歩くしかなくなった。
持参した消炎剤で何とかしのいだ。不思議なことに、それから10分後には前に戻った。マッサージなのか消炎剤のせいなのか。
噂の「しそジュース」を飲んだ。クエン酸が良い感じだったが少しぬるかったかな。
65kmの看板から5kmのタイムを計測してみたらキロ6分半くらいまで落ちてきた。
「まずいな。歩いても間に合いそうだから無理しないでいこう」と言い聞かせる。
集落が途切れたところで、反対斜線の原チャリから声をかけられる。S藤さんだ!まさか潟上市から原チャリで応援に駆けつけるなんて凄いぜ!
阿仁前田までもう少し。
歩きたい気持ちもあるのだが、どうしても歩いてしまえば、走ることが出来なくなりそうだった。「あと五キロ頑張って走ってみよう」と言い聞かせていると、S村さんが車から追い越しがてら応援してくれた。何か皆、自分が辛くなっている場所で応援してくれる。なんて幸せなんだ。
阿仁前田の十字路が目に入る。
「ここまで自分の脚できたんだ!オレって結構できるな」と思っていたら、先程追い越していったS村さんとわざわざ秋田から来てくれた、T口さん、F原さんが四季美館前で盛大に応援してくれた。
「よしっ、何がなんでも完走はするぞっ!」っと気合いが入る。
ここから米内沢までは結構近いと思ったのだが結構遠かった。
集落が途切れたあたりは結構気持ちが折れる。そんなところてサブテンランナーのFさんから後ろから声をかけてくれた。今回は調子が悪いので完走できればいいっ、みたいなことを言っていた。膝の調子も悪いみたいだった。そういえば先週、田沢湖のフルも走っていたんだよな。
「先に行ってもいいぞ」と言われたので、マイペースを継続して次のエードへ向かう。
再び「もう五キロ頑張ってみよう」と言い聞かせるものの、すでにキロ7分ペース近くまでダウンしている。
国道105から旧道にそれる。
先回りしていた監督にピースサインを。
すると監督がビックリしていた。「このタイムだったら歩いても十分間に合うぞ!」と言われる。
エードの冷たいタオルが凄く気持ちが良い。今回のエードの目玉である、ババヘラアイスがあったのだが、腹の調子がイマイチなので、スルーして次のエードへ向かう。
ここからは精神力勝負になるんだろうな。特に合川までの田圃の一本道は。
~~次へ続く

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