毎年、6月第二週の日曜日に「鹿嶋流し」と呼ばれる行事が、自分の生まれ育った秋田県仙北市角館町谷地町地区で細々と続いている。町内の産土神である「鹿嶋大明神」に無病息災を託し人形を桧木内川に流す風習である。
町内で世帯数以上の人形を作り、各々の世帯に配り、人形の背中に米を背負わせて船に配置する。さしずめ、世帯の安全のため戦場に向かう武士の集まりが船に集結した様相なのである。ある程度、船に武士が集まれば、勝利のために神主が祝詞をあげる。
祝詞をあげたあと、いざ川に出発。30年くらい前は船を乗せて川へ向かう山車もあったが、昨今の交通事情から今は軽トラックで川に向かうことになっている。
いくら無病息災を祈る行司といえども、武士である人形を20数体流すことは不法投棄にあたるので、現在は船を川に流しはするものの、引き上げることにしている。
なぜ、仙北市角館町の特定の地域だけが、行っているのかといえば、この地区に所在する鹿嶋神社の本尊というのが、佐竹氏北家入部の際、前領地であった常陸国から持ってきたとのこと。そして、この神社が祈祷所だったらしく、以来産土神として地区住民を見守っている。
50メートルくらいながしてから船は引き上げられ、代表の人形?だけが、「サンダラ」(昔の炭俵の底、蓋)に乗せられて疫病退治の旅を続ける。そう、鹿嶋大明神の正体は地震の源である鯰を押さえている「タケミカヅチノミコト」なのである。今年は大震災からちょうど3ヶ月後にこの日にちがあたっているとはなんたる偶然かなと。
久しぶりに見た光景であった。毎年、雨が降る梅雨のさなかに行われる行事であり、これが終われば暑い夏とお盆が駆け足でやってきて、角館の正月でもある「飾山ばやし」までのカウントダウンのスピードが速まるのだと再確認した。






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